突如家庭に現れた強盗集団!?
家族と共に夕食を囲む、ごく普通の夜。
そんな暖かな雰囲気を切り裂くように、突然“何か”が襲ってきたとしたら…。
ドラマ『HOSTAGES ホステージ』は、まさに日常の幸せな風景を突如として壊してくるタイプの作品です。
あまりに唐突で意外な展開に心をガッチリと掴まれてしまった私は、金曜日夜~土曜日で一気見してしまってので寝不足になりました。
一度観始めたら最後まで止まらなくなる、そんな作品ですが日本ではほとんど語られていないんです。
にもかかわらず、サスペンス好きの筆者からすれば、なぜこれがもっと知られていないのか不思議でならない──そう思わせられました。
ただ一つだけ残念なのは、犯行グループのリーダー役の外見が男前な点。もっとこう、いかにもギャングっぽい風貌なら話の説得力がさらにアップしたのではないかと思います。
まあストーリー自体は面白いからいいんですけどね…。

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当ブログの管理人「ナカマチ」です。
- VOD利用歴5年以上
- 大の海外ドラマ好き。土日にまとめて10話くらい観てます
- Webのお仕事をしています
エレンに降りかかる究極の選択とは

「もし家族を人質に取られ、手術台の上で大統領を殺すよう脅されたら、あなたはどうしますか?」
こんな質問を突然されたら、きっと誰もが言葉に詰まってしまうでしょう。
でも、このドラマ「HOSTAGES ホステージ」の主人公エレン・サンダースは、まさにこの悪夢のような状況に直面することになります。
完璧だった日常が一瞬で崩壊
エレン・サンダースは腕利きの外科医です。医師としてのキャリアも順調、家族との関係も良好。
そんな彼女にアメリカ合衆国大統領の執刀という、医師にとって最高の栄誉とも言える仕事が舞い込みます。普通ならこれは人生最大の晴れ舞台になるはずでした。
ところが手術前夜に事態は急変します。FBIの捜査官ダンカン・カーライルが率いる謎の武装グループが、エレンの自宅に侵入。
家族全員を人質に取り、エレンに対してとんでもない要求を突きつけるのです。
「明日の手術で、大統領を殺せ」
この設定だけでも十分衝撃的ですが、このドラマの真骨頂はここからが始まりです。
なぜダンカンは大統領を殺そうとしているのか。なぜエレンが選ばれたのか。そして、エレンの夫ブライアンが隠している秘密とは一体何なのか。
予測不能な人間関係の複雑さ
このドラマで私が一番ゾクゾクしたのは、登場人物たちの関係性の複雑さです。最初は単純に「犯行グループ」と「被害者」に見えた構図が、話が進むにつれてどんどん曖昧になっていくんです。
ダンカン・カーライルという男が特に興味深い人物で、彼はFBIの優秀な捜査官でありながら、同時に犯行グループのリーダーでもあります。
でも彼には彼なりの切実な理由があって、それが徐々に明かされていく過程は本当に見事です。単純な悪役ではないんですよね。
エレンの夫ブライアンも、最初は普通の夫に見えるのですが、実は重要な秘密を抱えていて、それが物語全体に大きく関わってきます。
家族を守るために嘘をついていたのか、それとも別の理由があるのか。この辺りの描写も非常に巧妙です。
毎話ハラハラドキドキが止まらない
このドラマの構成が本当に上手いなと思うのは、毎話必ず新しい問題が発生することです。
エレンは家族を守るために犯人たちの要求に従おうとしますが、そう簡単にはいきません。病院でも家でも、常に何かしらのトラブルが起こります。
特に、エレンが病院で大統領の手術を進めながら、同時に家族の安全を気にかけている場面の緊張感は異常です。手術室という密室の中で、どうやって大統領を殺すのか、それとも救うのか。
その選択が家族の命と直結しているという状況は、観ている側も手に汗握ってしまいます。
そして何より、この作品は最後まで本当に先が読めません。「きっとこうなるだろう」と思った展開が、ことごとく裏切られます。
でもその裏切り方が決して強引ではなく、「なるほど、そうきたか」と唸らされるような巧妙さがあるんです。
心理戦の妙味と演技の素晴らしさ

このドラマのもう一つの魅力は、エレンの自宅と病院という限られた空間で物語が進行する点です。
派手なアクションシーンはほとんどありませんが、その分、登場人物たちの心理的駆け引きに集中できます。
しかも犯人たちは家族を人質に取っているとはいえ、24時間ずっと監視し続けなければなりません。そんな彼らにもそれぞれの背景があり、ときに亀裂が入ってしまうことも…。
そして人質側、つまりサンダース家にも“隠された秘密”があり、父親ブライアンは表面上は「普通の夫」であり「善良な父親」ですが、物語が進むごとに彼自身の秘密が明かされ、家族の中に不協和音が生まれ始めます。
一方、エレンは病院で普段通りに振る舞いながら、家族のことを心配し、同時に大統領を救う方法を模索します。この緊張状態が何日も続くという設定自体が、観ている側にも重圧を感じさせます。
このように、本作を一見すると「大統領暗殺をめぐるサスペンス」ですが、実際はもっと多層的です。
一話一話が「詰将棋」のようで、ちょっとした選択ミスが全体を大きく狂わせていく。その中で、登場人物たちが何を守り、何を犠牲にしていくのかが問われ続けます。
また、犯行グループの中にいるクレイマー・デイリーの存在も不気味です。彼はダンカンの義理の弟という複雑な立場でありながら、妙に冷静かつ計算高い。
果たしてこの男は、どこまで忠実で、どこからが“自分の意思”なのか──。
正義と悪、嘘と真実、そして家族というものの不確かさ──そのすべてがじわじわと浮かび上がってきます。
キャスト陣の熱演
主演のトニ・コレットの演技は本当に素晴らしいです。家族思いの優しい母親でありながら、同時に冷静な判断力を持つ外科医としての顔も見せる。
この二面性を自然に演じ分けているのが印象的でした。
ダンカン役のディラン・マクダーモットも秀逸です。冷酷な犯罪者でありながら、時折見せる人間らしさや葛藤が、この複雑なキャラクターに深みを与えています。
ただ、犯行グループのボス役としてはちょっと顔立ちが丹精すぎるので、「きっと何か深刻な事情があるんだろうな、本当は正義の人なんじゃないの?」と視聴者に思わせてしまうのが残念な点でした。
関連作品の提案
プレイド CIU潜入捜査官
知能犯や組織犯罪などを専門に扱うCIU(Critical Incident Unit)。潜入捜査官として犯罪組織に潜り込み、危険と隣り合わせの任務を遂行していくスリリングな展開は必見です。
アンダーカバー
製作総指揮がJ・J・エイブラムスなので、面白さは折り紙付きです。本作よりもエンターテイメント性の強いスパイ作品です。アクション好きな方にもおススメ!
ホームランド
スパイサスペンスですが、主人公の複雑な立場や心理的葛藤、そして最後まで予測がつかない展開という点で似ています。政治的陰謀という要素も「HOSTAGES」と通じるものがあります。
まとめ:隠れた名作を発見する喜び

正直に言うと、このドラマを見つけたのは完全に偶然でした。
海外ドラマのリストをぐるぐる見ていたときに、なんとなく気になってクリックしただけです。でも、これが大当たりでした。
「HOSTAGES ホステージ」は、家族愛、信頼と裏切り、正義と悪、そして人間の複雑さを丁寧に描いた作品です。
派手なアクションや銃撃戦などはないので地味に感じるかもしれませんが、その分、じっくりと登場人物たちの心情に寄り添いながら観ることができます。
このドラマを観ていると、「もし自分がエレンの立場だったら」ということを何度も考えさせられます。
家族を守るためなら、どこまでのことができるのか。そんな重いテーマを扱いながらも、決して説教臭くならず、最後まで純粋にエンターテインメントとして楽しめるのがこの作品の素晴らしいところです。
まだまだ日本では知られていない海外の名作がたくさんあるんだなと、改めて実感しました。
たまには有名作品から離れて、こうした隠れた名作を探してみるのも楽しいものですね。きっと、思いがけない発見がありますよ!
また次回も、皆さんがまだ知らない素晴らしい作品との出会いをお届けできるよう、路地裏の探索を続けてまいります。

最後までご覧いただき、ありがとうございました!
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